【お金のコト】企業型確定拠出金(企業型DC)で全世界株式ポートフォリオ作り方

こんにちは、枕屋です。

今日はお金の話、企業型確定拠出年金について商品の選び方のヒントをご紹介します。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の概要

会社員の方は、会社で企業型確定拠出年金(通称 企業型DC)という年金制度に入っている方がいるかと思います。簡単に説明をしますと、自分の給与から資産運用資金が自動で天引きされ(拠出)、事前に設定した投資商品に毎月投資して資産運用する、という制度です。

この制度、会社によっては新入社員の頃に強制加入だったりしなかったでしょうか。少なくとも私はそうでした。お金のこと、投資のことなんてなんにも知らない状態で取りあえず資産運用商品を選べ!という状態だったわけです。今はちゃんと知識がついたので全体のポートフォリオを見直し済みですが、新入社員当時は全く投資の知識が皆無で、ただただ元本割れが怖くて元本保証型の商品比率を高くしていました。今考えるとあり得ない選択です。少なくとも、最近になって商品を全面的に見直すまでの約10年間という投資期間をムダにしたことが大変悔やまれます。

商品選びの方針

さて話が逸れました。実は企業型DCで選べる商品というのはクセがあります。会社がどこの証券会社を使っているかによって、選べる商品が違います。また証券会社のラインナップを見ても、世間で人気のある優良商品がありません。楽天VTとかeMAXIS slimとか選べないんですよね。じゃあどうしたら良いのか、何を選べば良いのか。今日の本題はその点についてです。

まず、前提条件としてまだ若手で、投資期間が20~30年と長く取れる私みたいな投資初心者を想定してお伝えします。この条件に当てはまる人に対して、いま世の中で広く言われている投資手法は『全世界(または全米)株式への長期、分散投資』です。楽天証券の全世界株式へ投資できる投資信託であれば通称 楽天VTというものがありますね。全米株式であれば楽天VTIです。理想は企業型DCでもこれが買えれば万事解決なのですが、それが出来ないから多くの方が困っているものと思います。

それに対する一つの解決策は、選べる商品を組み合わせて自分で “疑似 全世界株式ポートフォリオ”を作る、です。 

次に私の例をご紹介します。

商品紹介

私が毎月購入中の商品は以下の3つです。

三菱UFJ信託銀行

  1. 三菱UFJ DC海外株式インデックスファンド :85%
  2. 三菱UFJ DC国内株式インデックスファンド :5%
  3. 野村新興国株式インデックスファンド(確定拠出年金向け) :10%

このパーセンテージは何かというと、私の拠出金額における各商品の購入割合であり、現時点での各区分けの世界時価総額の割合です。このように3つを時価総額の割合で購入することで、擬似的に全世界の株式を時価総額基準でまるっと買っている状態にほぼ近くなるというわけです。厳密に全株式を買っているわけではないですが、時価総額の大きな主要大型株・中型株はこれらの商品に含まれるため、世界中の成長の果実を、取りこぼしなく享受できるという目論見です。

参考にこちら↓で2022年7月時点での世界時価総額が確認できます。

世界各国のPER・PBR・時価総額 (毎月更新) – myINDEX

最初の円グラフでは、エマージング(新興国)の全世界における時価総額割合は約10%であることが分かります。次にその下にある国別の円グラフを見ますと、日本は約6%であることが分かります。そして、差し引きで残りの先進国の時価総額割合は84%となります。私の場合はこの数字を切りよく5の倍数に丸めた感じです。そのあたりはお好みで。

次に各商品の詳細をご紹介します。これらは各証券会社の商品案内、概要書からも確認できます。

三菱UFJ DC海外株式インデックスファンド :85%

  • 運用スタイル:パッシブ
  • ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース) 
  • 信託報酬:0.231%固定(税抜0.21%)
  • 為替ヘッジ無し

この商品は、日本を除く世界の主要国の株式を実質的な主要投資対象とし、日本を除く世界の主要国の株式の指標であるMSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)と連動する投資成果をめざします。

またMSCIコクサイ・インデックス(配当込み)とは、MSCI Inc.が開発した株価指数で、日本を除く世界の先進国で構成されています。 

上記からわかるとおり、この商品には世界の先進国で構成されるインデックスファンドであり、日本と新興国は含まれません。そこで、日本の株式と新興国の株式を別で選択することで全世界をまるっと買っているようなバランスを取ります。

三菱UFJ DC国内株式インデックスファンド :5%

  • 運用スタイル:パッシブ
  • ベンチマーク:東証株価指数(TOPIX)(配当込み)
  • 信託報酬:0.22%固定(税抜0.2%)

この商品は、わが国の株式を実質的な主要投資対象とし、わが国の株式の指標である東証株価指数(TOPIX)(配当込み)に連動する投資成果をめざします。

なお、東証株価指数(TOPIX)(配当込み)(TOPIXといいます)とは、日本の株式市場を広範に網羅するとともに、投資対象としての機能性を有するマーケット・ベンチマークで、浮動株ベースの時価総額加重方式により算出される株価指数です。

野村新興国株式インデックスファンド(確定拠出年金向け) :10%

  • 運用スタイル:パッシブ
  • ベンチマーク: MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み・円換算ベース)
  • 信託報酬:0.275%固定(税抜0.25%)
  • 為替ヘッジ無し

この商品は、・新興国の株式を実質的な主要投資対象とし、MSCI エマージング・マーケット・インデックス(配当込み・円換算ベース)の中長期的な動きを概ね捉える投資成果を目指します。 

なお、 新興国の株式(DR(預託証書)※1 を含みます。)を実質的な主要投資対象※2 とします。

※1 Depositary Receipt(預託証書)の略で、ある国の株式発行会社の株式を海外で流通させるために、その会社の株式を銀行などに預託し、その代替として海外で発行される証券をいいます。DR は、株式と同様に金融商品取引所などで取引されます。

※2 「実質的な主要投資対象」とは、「新興国株式マザーファンド」を通じて投資する、主要な投資対象という意味です。 

まとめ

ここでポイントをまとめます。

運用商品は株式100%

企業型DCの商品には債権や保険などいろいろありますが、このポートフォリオは株式のみです。ネットで有名な資産運用系の発信者の影響も大きいですが、運用期間を20年、30年と長くとれる人であり、資産総額がまだ少ない人は基本的に株式のみでOKという考え方です。債権や保険等と比べて株式はハイリスクな運用商品であり、かつハイリターンでもあります。そしてハイリスクといっても、長期分散投資を続けていけばかなりの確率でプラス益となることが期待できます。もちろん未来のことは誰もわからないので、過去のデータから推察される”期待”であることに変わりはありません。時間を味方につけて、ハイリスクを受け入れてハイリターンになる日を待ちましょう、という戦略ですね。そこにおいて、どちらかと言えば守りの手段となる債権や保険はまだ考慮する必要がないといえます。すでに莫大な財産を築いた人が株式の他に分散する投資先の一つとして債権がある、というように捉えましょう。

信託報酬は徹底的にローコストにこだわる

上記の商品はいずれも信託報酬は0.2%~0.3%弱です。信託報酬は運用を続ける限りずっと生じ続けるコストです。商品選びの際はこの信託報酬のコストにこだわりましょう。このくらいの数値以下が目安になるかと思います。インデックスファンドはそもそも信託報酬は低めの傾向にあるので、よっぽど変なものを選ばない限りだ丈夫だとは思いますが、しっかり確認しましょう。

おわりに

このような商品の選び方について、いかがだったでしょうか。みなさんも一度お手元の(またはネットで)商品ラインナップを開いて、どういう商品があるのかをぜひ確認してみてください。その中から、株式、パッシブ運用というような括りを見ればよいかと思います。海外株式(日本、新興国除く)、日本、新興国、この3つの商品があれば簡単に作れると思います。

最後にリベ大の両学長の言葉の中で、私の好きなセリフがあります。「100点を目指す必要はない、80点取れていれば十分。まずは行動して、80点を取りに行くことが大事」。いろいろ書いてきましたが、あまり細かいところにこだわりすぎず(時間をかけすぎず)、大きいところだけ外さないようにすれば十分という話ですね。上記商品も三菱UFJ信託銀行で選ぶとしたらの一例としてご紹介しました。他の証券会社だとまた違うと思いますが、おそらくどこも似たような商品は揃っているはずです。三菱UFJ信託銀行の商品と細かい数値を比較して、良いか悪いかを悩む必要はないと思います。

よろしければご検討ください。

※投資・資産運用は自己責任でお願いします。この記事でご紹介した内容によって損失を生じた場合においても、当サイトは一切の責任を負わないものと致します。

では、また!

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